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2021/12/24  [ 看護師 ]

これからの課題について

今まで緩和ケア病棟そして緩和ケアチームと、長年緩和ケアに携わって来ました。その中で、時代と共に緩和ケアのあり方も変化していきました。私が緩和ケアの病棟に配属された当初は、入院1年目を迎えた患者さんに、皆で花束を贈っていたのを思い出します。しかし、緩和ケア病棟は診療報酬の改定などに伴い、在院日数も短くなり、症状コントロールを目的として、在宅への円滑な移行を支援することも大切な役割となってきました。在宅療養をしながら、症状コントロールや家族の休息などの為に、レスパイトとして緩和ケア病棟を利用することも当たり前になってきました。ホスピスや緩和ケア病棟は「最期の場所」ではなくなり、在宅や施設へと療養場所の選択肢も広くなりました。実際、余命宣告を受けた方が、療養先として自宅を選択される方が多いとの報告があるように、余命週単位や日単位で「家に帰りたい」「家で最期を迎えさせてあげたい」という、患者さんやご家族の方々に沢山お会いしてきました。そして、在宅医療チームである在宅医、訪問看護師、ケアマネージャー等の方々が日祝関係なく対応して下さり、早急に自宅へ退院でき、家族との大切な時間を過ごして、家族に見守られ最期を迎えることができていました。病院から送り出す側として、在宅医療チームの連携と対応に、安心して自宅へ見送ることが出来ていました。退院された後、ご自宅に会いに行ったことがありますが、「家に帰ってきて良かった。もっと早く家に帰れば良かった」と嬉しそうな顔で言われていたのを思い出します。そのような経験から、あらゆる状況にあっても、本人やご家族が望めば自宅での療養が可能であることを知りました。ここ十数年で在宅医療サービスも充実してきて、在宅療養への認識も変化してきました。病院で勤務しながら、私もいつか在宅での看護をしたいと思うようになりました。そして現在、訪問看護師として勤務していますが、在宅看護についての経験の少なく、制度についても知識もまだまだ不十分で、利用者の方やご家族に対し、きちんと説明することすらできません。病院のように物品が十分に揃っているわけではなく、限られた物を工夫していかに使用するか等、本当に勉強の毎日です。まだまだ気持ちに余裕がなく、限られた時間でケアや看護を一人で判断し行うことに不安なことも多いのが正直なところです。今後少しずつ勉強し、幅広くアセスメントができ、その人に必要な医療やサービスを提供できるよう、知識と経験を積んでいければと思っております。そして、チームでの連携を大切に、ご自宅や施設において、穏やかに安心して最期までその人らしく過ごせるよう、日々努めていきたいと思っています。